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「車検の案内ハガキが届いたけど、当日は何を持っていけばいいの?」——ディーラーで働いていた頃、フロントで一番よく聞かれた質問のひとつがこれでした。
結論からお伝えすると、お店に車検を頼む場合、持ち物は実質「車検証」と「自賠責保険証明書」の2つ+費用だけというケースがほとんどです。以前は必須だった納税証明書や認印は、現在は原則不要になりました。
この記事では、国産ディーラーで7年間車検を受け付けてきた元整備士(国家1級整備士・自動車検査員資格保有)の私が、車検に必要なものを普通車・軽自動車・ユーザー車検のケース別に解説します。紛失したときの再発行方法もまとめたので、ハガキが届いた方はぜひ最後までご覧ください。
車検の必要書類・必要なもの一覧【まずは結論】
車検の必要書類は、基本的に「車検証・自賠責保険証明書・費用」の3つだけです。かつて必要だった納税証明書と認印は、原則として不要になりました。ここでは元検査員の視点で、必要書類の中身と、例外的に書類が増えるケースを整理します。
お店(ディーラー・整備工場・カー用品店など)に車検を依頼する場合に必要なものは、次のとおりです。
| 持ち物 | 普通車 | 軽自動車 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 車検証 | 必要 | 必要 | 電子車検証もそのまま提示でOK |
| 自賠責保険証明書 | 必要 | 必要 | 現在の有効期間のもの |
| 納税証明書 | 原則不要 | 原則不要 | 納付直後などは必要(後述) |
| 認印 | 不要 | 不要 | 押印廃止により署名でOK |
| 費用 | 必要 | 必要 | 法定費用は現金指定の店もあり |
| ロックナットアダプター | 装着車のみ | 装着車のみ | 盗難防止ナットの専用ソケット |
① 車検証(自動車検査証)
2023年1月から普通車の車検証はICタグ付きの「電子車検証」に切り替わり、軽自動車も2024年1月から電子化されています(出典:国土交通省 電子車検証特設サイト)。A6サイズほどの小さなカードになりましたが、従来どおり車に備え付けておく書類なので、多くの場合グローブボックスの車検証入れに入っています。
② 自賠責保険証明書
正式には「自動車損害賠償責任保険証明書」。車検証とセットで車検証入れに保管されていることがほとんどです。車検では現在有効な証明書を確認したうえで、次の期間分に更新加入します。
③ 費用(法定費用は現金が無難)
車検費用のうち、自動車重量税・自賠責保険料・印紙代といった「法定費用」は、お店によってはクレジットカード払い不可で、現金での前払いをお願いされることがあります。金額の目安は車検費用の相場はいくら?整備士が教える節約術で詳しく解説しています。
財布にいくら入れていけばいい?法定費用の実額
「現金が無難」と言われても、いくら用意すればいいのかが分からないと準備できません。車検で必ずかかる法定費用は次のとおりです(自家用乗用車・エコカー減税なし・新車登録から13年未満の場合)。
| 項目 | 普通車(1.5t以下) | 軽自動車 |
|---|---|---|
| 自動車重量税(2年分) | 24,600円 | 6,600円 |
| 自賠責保険料(24ヶ月) | 17,650円 | 17,540円 |
| 検査手数料(印紙代) | 2,200〜2,300円 | 2,200円 |
| 合計 | 約44,500円 | 約26,300円 |
普通車なら5万円、軽自動車なら3万円を現金で持っていけば、法定費用の支払いで困ることはありません。整備費用や車検基本料はカードが使えるお店が多く、現金が要るのはこの法定費用の部分です。
ただし扱いはお店によって違います。全額カード可の店もあれば、法定費用だけ現金という店もあります。見積もりを取るときに「支払いはカードでも大丈夫ですか」と一言聞いておいてください。当日になって現金が足りず、近くのATMを探しに走るお客様を何度も見てきました。
2026年11月1日から自賠責保険料が上がります
自賠責保険料は2026年11月1日に改定され、平均6.2%引き上げられます。自家用乗用車の24ヶ月契約は17,650円から18,560円へ、910円の値上げです(JAF Mate Online)。引き上げは13年ぶりになります。
適用されるのは11月1日以降に保険期間が始まる契約です。10月31日までに始まる契約は現行の保険料で済みます。加入のタイミングは契約内容によって変わるため、11月以降に車検を控えている方は、見積もりのときに「早めに受けたら現行の保険料になりますか」と確認してみてください。
納税証明書は原則不要になった【例外に注意】
「車検には納税証明書が必要」と覚えている方も多いはず。しかし現在は納税情報を電子的に確認できる仕組みが整い、普通車は2015年4月から、軽自動車も2023年1月から、車検時の納税証明書の提示は原則不要になっています(出典:千葉県:車検のとき、納税証明書がいらなくなったと聞きましたが)。
ただし、次のようなケースでは紙の納税証明書が必要になることがあります。
- 納付した直後:納付情報がシステムに反映されるまで最大10日ほどかかるとされ、納付してすぐ車検を受ける場合は領収印のある納税証明書があると確実です
- 引っ越しなどで都道府県をまたいで登録変更した直後
- 軽自動車で市区町村の納付確認が取れない場合(次で解説)
認印も不要になりました
行政手続きの押印見直しにより、車検関係の書類への押印は原則不要になっています。委任状なども署名で対応できるケースがほとんどです。印鑑を探して家じゅうをひっくり返す必要はありません。
名義人以外が車検に出すときは?
「夫名義の車を妻が持っていく」「親の車を子どもが出す」というケースは珍しくありません。
整備工場やディーラーに依頼する通常の車検なら、名義人以外が持ち込んでも特別な書類は要りません。本人確認として運転免許証を求められる程度です。ローン中でディーラー名義になっている車でも、継続検査だけなら手続きに影響しません。
委任状が必要になるのは、車検と同時に次の手続きをする場合とされています。
- 構造変更をともなう検査(用途・サイズ・重量が変わる場合)
- ナンバープレートの変更をともなう場合
- 車検証を紛失していて、名義人以外が再発行手続きをする場合
この場合は委任状に加えて代理人の身分証明書が必要です(CTN車一括査定)。委任状には名義人の署名が要るので、当日ではなく事前に用意してください。
迷ったら、予約の電話で「名義が家族なのですが」と伝えるのが確実です。必要な書類は店側が教えてくれます。当日に足りないと分かるより、はるかに手間が少なく済みます。
軽自動車の車検はここに注意
軽自動車は2023年1月から「軽JNKS(軽自動車税納付確認システム)」の運用が始まり、原則として納税証明書は不要になりました。ただし普通車の仕組みに比べて市区町村側のデータ反映にばらつきがあり、お店によっては「念のためお持ちください」と案内されることもまだあります。
私のおすすめは、納税通知書に付いてくる納税証明書の部分を捨てずに車検証入れに挟んでおくこと。かさばるものではありませんし、車を売却するときに求められる場合もあるので、持っていて損はありません。
ユーザー車検の場合に追加で必要な書類
運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会)に自分で車を持ち込む「ユーザー車検」では、ここまでの持ち物に加えて次の書類が必要です。
- 自動車検査票:検査ラインでの合否を記録する用紙
- 自動車重量税納付書:重量税の印紙を貼って納付する用紙
- 継続検査申請書:新しい車検証を発行するための申請用紙
- 定期点検整備記録簿:24ヶ月点検の記録。車検後に点検する「後整備」も制度上は可能ですが、車検は当日の基準適合を見るだけで車の健康診断ではありません。検査員をしていた立場からは、点検を済ませてから受けることを強くおすすめします
最初の3つは検査当日に窓口で入手できるため、事前準備は不要です。受検には予約が必要で、普通車は「自動車検査インターネット予約システム」、軽自動車は「軽自動車検査予約システム」から無料で予約できます。
書類を紛失したときの再発行方法
| 書類 | 再発行の窓口 | 備考 |
|---|---|---|
| 車検証 | 運輸支局(軽は軽自動車検査協会) | ナンバーを管轄する事務所へ。手数料は数百円程度 |
| 自賠責保険証明書 | 加入している損害保険会社 | 契約者本人からの手続きが基本 |
| 納税証明書 | 都道府県税事務所(軽は市区町村役場) | 無料で発行されることが多い |
どれも即日〜数日で再発行できますが、車検予約日の直前だと間に合わないことも。案内ハガキが届いたタイミングで、書類がそろっているか一度確認しておくと安心です。
車検はいつから受けられる?【2025年4月から2ヶ月前でもOK】
2025年4月1日に制度が変わり、車検証の有効期間満了日の2ヶ月前から車検を受けても、次回の有効期間が短縮されなくなりました(出典:国土交通省 報道発表資料)。以前は実質「1ヶ月前から」だったので、スケジュールにかなり余裕ができたことになります。
3月前後の年度末は車検が集中して予約が取りにくいため、早めに見積もりを取って予約するのがおすすめです。
書類が揃ったら、あとは予約です。近くの店の料金をまとめて見られるサービスもあります。
車検前にセルフチェックしたい3つのポイント
書類がそろっていても、車の状態が保安基準を満たさなければ車検には通りません。当日の追加整備で慌てないよう、最低限次の3つは事前に確認しておきましょう。
- タイヤの溝:残り溝1.6mm未満(スリップサインが露出した状態)は車検に通りません。見分け方はタイヤの危険サイン3選で解説しています
- ブレーキパッドの残量:車検時に交換を勧められる定番項目。目安はブレーキパッド交換時期と費用をどうぞ
- ランプ類・ワイパー:球切れやワイパーゴムの劣化は検査で引っかかる定番です。数分で確認できます
よくある質問
Q. 車検証は車に積んでおかないとダメ?
A. はい。電子車検証になっても車への備え付け義務は変わらず、不携帯は道路運送車両法違反で罰則の対象です。コピーではなく原本を車検証入れに入れておきましょう。
Q. 納税証明書を捨ててしまいました。再発行すべき?
A. 車検だけなら原則不要なので慌てなくて大丈夫です。ただし納付直後に受ける場合や軽自動車で確認が取れないケースでは必要になるため、心配なら県税事務所(軽は市区町村役場)で再発行しておくと確実です。
Q. 車検を頼むときに運転免許証は必要?
A. 車検自体には不要です。ただし代車を借りて運転するなら当然必要になるので、忘れずに持って行きましょう。
まとめ:持ち物は「車検証+自賠責+費用」でほぼOK
車検に必要なものは、お店に頼むなら車検証・自賠責保険証明書・費用の3点セットが基本。納税証明書と認印は原則不要になり、以前よりずっと身軽になりました。
あとは費用の準備だけです。相場を知らずに言われるまま受けると数万円単位で損をすることもあるので、車検費用の相場と節約術もあわせてチェックして、納得のいく車検にしてください。
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※2026年8月22日時点の保安基準(国土交通省)を確認しています。基準は改正されることがあるため、最新の内容は公式ページでご確認ください。


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