カーリースのメンテナンスプランは必要?元整備士が判断基準を解説

エンジンルームにオイルを補充する場面。カーリースのメンテナンスプランに含まれる整備を表すイメージ 売却・買い替え

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カーリースの見積もりを取ると、月額に「メンテナンスプラン」を付けるかどうかを聞かれます。付ければ月々が上がる。付けなければ安いけれど、車検やオイル交換は自分で払う。どちらが得なのか判断しにくいところです。

先に結論です。整備を自分で判断できない人、支払いを一律にしたい人は付けた方がいい。逆に、行きつけの整備工場があって費用を自分で管理できる人は不要です。

私はディーラーで、メンテナンス込みのリース車を何台も整備してきました。窓口と作業場の両方から見た実際の中身を、含まれるもの・含まれないものの線引きと一緒に説明します。

メンテナンスプランに含まれるのは「決まった作業」だけ

リース会社によって名前は違いますが、中身はおおむね共通しています。含まれるのは、時期が決まっている定期的な作業です。

  • 車検の基本料(検査と点検の手数料)
  • 12か月ごとの法定点検
  • エンジンオイル・オイルエレメントの交換
  • ブレーキオイルの交換
  • ワイパーゴムの交換

含まれる範囲の具体例はカルモマガジンのメンテナンス解説でも同じ項目が挙げられています。

逆に、含まれないことが多いのはこちらです。

  • ガソリン代・駐車場代・高速代
  • 事故や自分でつけた傷の修理
  • タイヤ交換(プランによって対象になる場合とならない場合があります)
  • バッテリー交換(同じくプラン次第)
  • 任意保険

タイヤとバッテリーが入っているかどうかが、プランを比べるときの一番の分かれ目です。この2つは金額が大きく、走り方によって交換時期が読みにくいからです。

なお、メンテナンス費用が含まれないタイプのリース(ファイナンスリースと呼ばれます)もあります。オリックスカーリースの説明では、こちらは税金や自賠責は月額に入るが、点検や消耗品は自己負担と整理されています。契約書のどちらなのかは必ず確認してください。

整備士から見た、メンテナンス込みリースの現場

ディーラー時代、メンテナンスリースの車が入庫すると、作業の流れが普通の車と少し違いました。

まずお客様は工場で支払いをしません。精算はリース会社との間で終わるので、受付でも金額の話が出ません。点検で交換が必要な部品が見つかっても、その場で「いくらかかります」という説明が発生しないわけです。見ていて、来店の負担が明らかに軽そうでした。

整備する側には、ひと手間ありました。リース会社ごとに「交換していい部品の基準」が決まっているのです。この摩耗ならまだ使う、ここまで減ったら交換する、という線が会社ごとに違います。作業前にその確認をするのが手間でした。

ただ、これはユーザーから見れば安心材料です。工場の判断だけで交換部品を足せない仕組みだからです。「勧められた整備が本当に必要なのか分からない」という不安がある方には、この点は大きいと思います。

一方で、こういう場面もありました

基準に届いていない部品は、交換されずに戻ります。整備士として「そろそろ替えた方がいい」と感じても、基準内なら次回送りです。危険な状態で返すことはありませんが、予防的に早めに替えるという選択はしにくいのが実情でした。

付けた方がいい人・付けなくていい人

判断の分かれ目は、費用の管理を自分でできるかどうかです。

付けた方がいい人

  • 車検や点検で数万円の請求が来るのがつらい。出費を一律にしたい
  • 勧められた整備の必要性を自分で判断できない
  • 点検を後回しにしがちな自覚がある
  • 初めて車を持つ、または久しぶりに車に乗る

付けなくていい人

  • 信頼している整備工場があり、そこで見てもらいたい
  • オイル交換やワイパー交換を自分でやっている
  • 年間の維持費を把握していて、まとまった出費に対応できる

4つ目の「初めて車を持つ人」を挙げたのには理由があります。法定12か月点検は道路運送車両法で義務とされていますが、国土交通省の点検整備の案内にあるとおり車検と違って受けなくても罰則がありません。そのため実施率は半分程度と言われています。プランに入れておくと、点検が自動的に予定として組まれます。これは費用の話以上に価値があります。

元が取れるかは「車検2回分」で計算する

金額の判断はシンプルです。プランで月々いくら上がるかに契約月数を掛けて、その間に自分で払うはずだった整備費と比べます。

5年契約なら、その間に車検は2回。ほかに12か月点検が3〜4回、オイル交換が10回前後です。この合計とプランの上乗せ総額を並べれば、損得はその場で分かります

比べるもの計算のしかた
プランの総額月々の上乗せ額 × 契約月数
自分で払う場合車検2回+12か月点検3〜4回+オイル交換10回前後
差が出る要素タイヤ・バッテリーが対象に入っているか

車検にいくらかかるかの目安は車検の費用・必要書類・期間をまとめた記事に、年間の維持費全体は車の維持費は年間いくらかを解説した記事にまとめています。この2つの数字を持って見積もりを見ると、判断が早くなります。

私の経験から1つ付け加えると、走行距離が多い人はプランの価値が上がります。オイル交換の回数が増え、タイヤも早く減るからです。通勤で毎日30km走る人と、週末しか乗らない人では、同じプランでも元が取れるかが変わります。

プランを選ぶときに見積書で確認する3つ

  • タイヤとバッテリーが対象か。金額が大きいので、ここで差が出ます
  • どこで整備を受けるのか。指定工場のみか、近所の提携店でもいいのか。遠いと点検が面倒になります
  • 途中でプランだけ外せるか。多くの場合は契約時に決めたら変更できません

3つ目は特に確認してください。契約後にプランを足すこともできないケースがあります。迷っているなら、付ける方向で見積もりを取っておいた方が選択肢が残ります。

これから比べるなら、頭金なしで組めて車検や税金も月額に入るオリコで乗ーる(新車カーリース)のように、プランの中身と月額の内訳を申し込み前に確認できるところを1社目に見ておくと、他社との比較基準ができます。

プランがあっても、自分で見ておきたい3か所

整備を任せられるとはいえ、点検は年に1回です。その間に起きる変化は、乗っている人しか気づけません。工場で「もっと早く来てくれれば」と思った場面は何度もありました。

  • タイヤの溝と空気圧:月に1回、給油のついでで十分です。空気圧が減ると燃費が落ち、片側だけ偏って減ることもあります
  • ワイパーのビビり:雨の日に音が出たり拭き残しが出たら、ゴムが硬くなっています。プランに入っているなら申告すれば替えてもらえます
  • ブレーキを踏んだときの音:キーッという金属音が出始めたら、次の点検を待たずに連絡してください。放置するとブレーキローターまで傷んで、交換範囲が広がります

プランは「気づいたことを伝えれば、その場でお金の心配なく直せる」仕組みです。気づく役は自分に残ります。ここを押さえておくと、プランの価値を一番引き出せます。

よくある質問

プランを付けないと、整備は自分で手配するのですか?

そうなります。車検の時期はリース会社から案内が来ることが多いですが、予約と支払いは自分で行います。行きつけの工場に出せるので自由度は上がります。

途中でタイヤが減ったら、プランがあれば無料ですか?

タイヤが対象のプランなら交換されます。ただし回数や本数に上限があることが多く、無制限ではありません。「タイヤ込み」と書いてあっても、契約書で回数を確認してください

返却時の傷はプランでカバーされますか?

されません。メンテナンスプランは消耗品と点検の話で、傷やへこみは別です。返却時の精算についてはカーリースと残価設定ローンを比較した記事で扱っています。

ディーラーの車検パックとは違うのですか?

考え方は同じです。決まった整備を前払いで定額にする仕組みです。違うのは、リースのプランが契約年数まるごとを対象にする点です。

まとめ

メンテナンスプランに含まれるのは、車検の基本料、法定点検、オイルやワイパーなどの決まった交換です。タイヤとバッテリーはプラン次第で、ここが金額の分かれ目になります。

整備の必要性を自分で判断できない人、出費を一律にしたい人には向いています。行きつけの工場がある人には不要です。リース特有の弱点をまとめて知りたい方はカーリースのデメリット7つの記事もあわせて読んでください。

今日できることを1つ挙げるなら、手元の見積書で「タイヤ」「バッテリー」の2語を探してみてください。書かれていなければ対象外です。それだけで、その見積もりが本当に安いのかが見えてきます。

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