20系アルファードのオイルが減る|2AZエンジンの持病を元整備士が解説

ボンネットを開けて車のエンジンを点検する整備士の手元 Uncategorized

※当サイトはアフィリエイト広告(A8.net・楽天アフィリエイト)を利用しています

アルファードやエスティマに乗っていて、オイル交換のたびに「思ったより減っていますね」と言われたことはありませんか。

2AZというエンジンには、オイルが減る持病があります。私はディーラーにいたころ、このエンジンを何台も交換しました。エンジンの載せ替えになる、大がかりな修理です。

やっかいなのは、乗っている本人はまず気づかないことです。点検で発覚するのがほとんどでした。この記事では、自分で確かめる方法と、中古で買うときの見分け方をお伝えします。

自分の車が該当するかは、車検証で決まります

年式や車種で覚える必要はありません。車検証の「原動機の型式」を見てください。ここに 2AZ と書かれていれば、この記事の話です。

私が現場で見ていたのは、20系のアルファード・ヴェルファイアと、エスティマの2.4Lです。同じエンジンなので、症状の出方も同じでした。

自分で気づいた人は、ほとんどいませんでした

正直に書きます。「最近オイルが減っている気がする」と言って来店された方は、記憶にありません。ほぼ全部、点検やオイル交換のときにこちらが気づくパターンでした。

理由は単純です。オイルは少しずつ減るので、走っていて変化がわからないからです。エンジンから煙が出るわけでも、音が変わるわけでもありません。

だから、気づくには自分でゲージを見るしかありません。

ひどい個体は、3,000kmで1L以上減っていました

減り方には個体差があります。ただ、私が見た中でひどいものはこうでした。

  • 3,000km走ると1L以上減っている
  • ひどい車はゲージにオイルが付かない(=ゲージの先まで油面が下がっている)

ここが怖いところです。オイル交換の間隔は5,000kmから1万kmが一般的です。3,000kmで1L減る車を、次の交換まで放っておいたらどうなるか。計算するまでもありません。

オイルが足りない状態で走り続けると、エンジンは内側から傷んでいきます。何が起きるかはエンジンオイル交換を放置すると起こる3つの悲劇に書きました。交換時期の考え方はオイル交換の時期の目安にまとめてあります。

警告灯を待ってはいけません

「オイルが減れば警告灯が点くのでは」と思われるかもしれません。

私が担当した中に、警告灯が点くまで放置された2AZの車はありませんでした。点検で先に見つかっていたからです。ただ、あってもおかしくないとは思っています。

大事なのはここです。油圧の警告灯は「オイルが減ってきた」ことを知らせる灯ではありません。油圧が保てなくなったときに点くものです。点いたときには、すでにエンジンが傷んでいる可能性があります。

この車に乗るなら、月に1回ゲージを見る。これが一番確実で、お金もかかりません。

直すとなると、エンジンの載せ替え

オイルが減る原因はピストンリングのあたりにあります。オイル交換や添加剤で止まるものではないので、エンジンの載せ替えになります。

現場では、ショートブロックという部品に交換していました。シリンダーブロックにクランクシャフト・ピストン・コンロッドが組み付けられた状態のもので、エンジンの中身を丸ごと新しくすると考えてください。

エンジンを車から降ろして行う作業です。預かりは2日から3日が普通でした。早い整備士だと丸1日で終わることもありましたが、そこは腕の差です。

金額は、状態や工場によって変わります。ここで「いくら」とは書けません。ただ、エンジンを載せ替える規模の修理だとイメージしてください。相談するなら必ず見積もりを取ってください。

年式を考えると、直して乗り続けるか、乗り換えるかで迷うところです。判断の材料として、今の愛車の価値を先に知っておくと考えやすくなります。→ ガリバーの無料査定で愛車の価値を調べてみる

かつては保証で直せました。今は載っていません

この不具合は、以前トヨタが延長保証の対象にしていました。私が交換していたのも、その枠での作業がほとんどです。

ただし、2026年9月6日時点で、トヨタ公式の「保証期間延長等のその他の情報」と「サービスキャンペーン情報」の一覧に、この案件は載っていません。私が確認しました。20系アルファードもエスティマも古い車なので、期間が終わったのだと思われます。

「今も無料で直る」とは考えないでください。個人ブログには当時の条件がいろいろ書かれていますが、公式で確認できない以上、ここでは数字を書きません。ご自身の車が対象になるかは、車台番号を伝えて販売店に聞くのが確実です。

もう一つの持病:アイドリング中のガラガラ音

2AZには、オイル消費とは別の不具合もありました。バランスシャフトという部品が壊れるものです。

音の特徴ははっきりしています。

  • アイドリング中にガラガラと鳴る
  • 回転数を上げると、さらに大きくなる
  • 車内にいても気づくレベルの音

問題は音だけではありません。壊れた破片がオイルストレーナー(オイルを吸い込む口の網)に詰まることがあります。詰まればオイルが回らなくなるので、エンジンにとっては危険な状態です。

そして知っておいてほしいことがあります。この2つは別の不具合です。私が担当した車も、両方出るというより、どちらか一方が多い印象でした。ただ、ショートブロックを交換した車が、しばらくしてガラガラ音で再入庫したこともあります。片方を直したから安心、とはいきません。

音の種類ごとの見分け方は車の異音の原因を音別に解説にまとめてあります。

中古で買うときに見るところ

20系アルファードやエスティマは、中古車として今も多く出回っています。買う前に確認できることがあります。

  • エンジンをかけた状態で、アイドリング中の音を聞く。ガラガラ音は車内でもわかります
  • オイルゲージを自分で抜いて見せてもらう。量と汚れ方でわかることがあります
  • 整備記録簿を見る。オイル交換の間隔が短ければ、前のオーナーが減りに対処していた可能性があります
  • ショートブロック交換の履歴があれば、それはむしろ安心材料です

中古車を見るときの全体的な要点は中古車のチェックポイントに書いています。

いま乗っている人がやること

  • 月に1回、オイルゲージを見る(エンジンを止めて数分置いてから、平らな場所で)
  • 減っていたら継ぎ足す。足すこと自体は悪いことではありません
  • 減り方が早いと感じたら、何km走って何L減ったかを記録して相談する
  • アイドリング中のガラガラ音に気づいたら、早めに見てもらう

数字で伝えられると話が早く進みます。「なんとなく減る」より「3,000kmで1L減った」のほうが、整備士は動きやすいです。

よくある質問

オイルを継ぎ足しながら乗り続けても大丈夫ですか

減る量を把握して、切らさないように足せているなら、それで乗っている方は実際にいます。危険なのは、減っていることに気づかないまま走ることです。ただし減り方がひどくなってきたら、修理を考える時期です。

粘度の高いオイルを入れれば減らなくなりますか

減りが穏やかになることはありますが、原因が消えるわけではありません。指定と違うオイルを入れると、別の不具合につながることもあります。変えるなら整備士に相談してからにしてください。

ガラガラ音は放っておくとどうなりますか

破片がオイルストレーナーに詰まると、オイルが十分に回らなくなります。そうなるとエンジン全体に影響します。音が出ている時点で、早めに見てもらってください。

自分の車が2AZかどうか、どこを見ればいいですか

車検証の「原動機の型式」の欄です。2AZと書かれていれば該当します。手元になければ、販売店に車台番号を伝えれば教えてもらえます。

まとめ

2AZエンジンのオイル消費は、乗っている本人が気づきにくいのが一番の問題です。ひどい個体は3,000kmで1L以上減り、ゲージに付かないところまでいきます。警告灯は当てになりません。

直すとなればエンジンの載せ替えになり、2日から3日の預かりになります。かつては延長保証がありましたが、今はトヨタ公式の一覧に載っていません。

今日できることを1つ挙げるなら、車検証で原動機の型式を確かめ、2AZならオイルゲージを抜いてみることです。それだけで、手遅れになる前に気づけます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました