車は何万kmまで乗れる?18万km乗った元整備士が解説

走行距離が表示された車のメーターパネル Uncategorized

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「そろそろ10万km。この車、あと何年乗れるんだろう」。走行距離が増えてくると、修理にお金をかけるか買い替えるかで迷います。

結論から言います。まともにオイル交換をしてきた国産車なら、20万kmは十分に狙えます。私は前の車で18万kmを走りましたが、大きな出費はウォーターポンプの交換くらいでした。

この記事では、元ディーラー整備士の私が実際に18万kmと14万kmを走らせて、何が壊れて何が壊れなかったのかを公開します。そのうえで「まだ乗る」「買い替える」の判断基準もお伝えします。

車は何万kmまで乗れる?答えは「20万kmは狙える」

まず、世の中の車が実際にはどれくらいで手放されているかを見てください。

項目数字
乗用車(軽を除く)の平均使用年数13.35年
1年あたりの平均走行距離6,728km
掛け合わせた生涯走行距離約9万km

使用年数は自動車検査登録情報協会の統計(2025年3月末現在)、走行距離はソニー損保の2025年 全国カーライフ実態調査の数字です。

掛け合わせると、多くの車は9万km前後で一生を終えていることになります。20万kmまで乗る車が少ないのは、そこで壊れるからではありません。その手前で手放されているからです。

私はディーラーで7年間、主にトヨタ車を見てきました。20万km超えの車は珍しくありませんでした。エンジン本体が壊れて廃車になった車は、7年間でほとんど記憶にありません。

ヴィッツで18万km走った実録|壊れた部品・壊れなかった部品

5年前まで乗っていたのは、H21年式の90系ヴィッツです。手放した時点で約18万kmでした。

部位18万kmまでの結果
ウォーターポンプ・ベルト交換した(一番大きな出費)
エンジン本体異常なし
エアコン一度も壊れず
ミッション(変速機)異常なし

大きな出費はウォーターポンプとベルトの交換くらいでした。ウォーターポンプはエンジンを冷やす水を送り出す部品で、寿命がくると水が漏れてきます。これは過走行車では順番に来る交換で、想定内のものです。

意外に思われるのがエアコンです。18万kmまで一度も壊れませんでした。これは正直に言って運が良かった部分もあります。エアコンのコンプレッサーは10万kmを超えると壊れる車も出てきます。

18万kmもった一番の理由は、オイル管理だった

ヴィッツには弱点があります。オイル管理を怠った車体は、オイル消費が出やすいという傾向です。オイル消費とは、走っているうちにエンジンオイルが減っていく症状のことです。

整備士時代、オイルがほとんど残っていないヴィッツを何台も見ました。オイルレベルゲージを抜いても、先端に何もついてこない車です。そこまでいくとエンジンの内部が傷つき、オイルを足しても症状は止まりません。

私の車がそうならなかったのは、決められた時期にオイルを換えていたからです。特別なことは何もしていません。詳しい交換時期はオイル交換の時期の目安をまとめた記事で解説しています。

ハイブリッドは何万kmもつ?フィールダーHV・14万kmの現状

今乗っているのは、H28年式のカローラフィールダー ハイブリッドで、約14万kmです。通勤が片道30kmあったため、燃費を優先して中古で選びました。実測の燃費はヴィッツの約16km/Lから約28km/Lに変わりました。

ハイブリッドで一番心配されるのが駆動用バッテリーです。私の現場感覚では、10万km前後で警告灯がつくケースが多いという印象です。私の車は早めに交換済みなので、当面は気にせず乗っています。

トヨタ車の場合、ハイブリッド機構には新車から5年・10万kmの特別保証が付きます(条件は年式・車種で変わるため、メーカー公式の保証情報で確認してください)。中古で買うときは、保証が残っているか、バッテリーの交換歴があるかを販売店に聞いてください。交換費用の目安はHV・EVの駆動用バッテリー劣化の記事にまとめています。

もう1つ警戒しているのが、リアのハブベアリングです。フィールダーは弱い傾向があります。速度を上げるとゴーという音が大きくなるのが前ぶれで、そろそろ来るかと構えています。音の種類ごとの原因は車の異音を音別に解説した記事で確認できます。この症状はアクアでも多く、アクア・フィールダーのハブベアリングの記事で詳しく書きました。

距離より「どう扱われてきたか」で寿命は決まる

10万kmでも中身が傷んでいる車と、18万kmでも元気な車があります。差がつくのは次の4点です。

  • オイルを決められた時期に換えてきたか
  • 1回の走行が短距離ばかりでないか(エンジンが温まる前に止める使い方は負担が大きい)
  • 雪国など、下回りがサビやすい環境で使われてきたか
  • 冷却水やブレーキ液など、交換を忘れられがちな油脂類を換えてきたか

走行距離は寿命の目安のひとつでしかありません。記録簿を見て、オイル交換の間隔が空いていない車のほうが長持ちします

買い替えを考えたほうがいいサイン3つ

① 1回の修理代が、その車の売却額を超えたとき

これが一番わかりやすい線引きです。修理に20万円かかる車の売却額が10万円なら、直すお金で次の車の頭金にしたほうが合理的です。

迷ったら、修理を決める前に今の売却額を調べてください。金額を聞いてから断っても問題ありません。車の売却・査定で損しない方法も参考にしてください。

修理代と売却額を並べて考えるには、今いくらで売れるかを先に知る必要があります。無料の査定なら、金額を聞いたうえで断っても構いません。

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② 13年目に税金が上がるとき

新車登録から13年を超えると、自動車重量税が重くなります。自家用乗用車(エコカー以外)の年額は次のとおりです。

経過年数0.5tあたりの年額車両重量1.5tの車の2年分
13年未満4,100円24,600円
13年超5,700円34,200円
18年超6,300円37,800円

1.5tの車なら、車検1回あたり約9,600円の増額です(税額は国土交通省の自動車重量税額のページで確認できます)。自動車税も13年超で約15%上がります。

ただし、この増額だけで買い替える理由にはなりません。年1万円弱の負担増と、買い替えにかかる数十万円を並べて考えてください。

③ 同じ場所の修理が続くようになったとき

1年のうちに2回、3回と工場に入るようになったら、車全体が寿命に近づいているサインです。1か所直すと次が来る状態になります。

買い替えを決めたなら、次の車をどう持つかも考えどきです。維持費を毎月一定にしたい人には選択肢もあります。判断材料はカーリースのデメリットをまとめた記事に、整備側から見た本音を書いています。

次の車で毎月の支払いを一定にしたいなら、車検代や税金まで含んだ定額のサービスを比べてみる方法もあります。今の車にまだ乗るつもりなら、無理に切り替える必要はありません。

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よくある質問

10万kmを超えたら買い替えたほうがいいですか?

その必要はありません。10万kmという数字に整備上の意味はなく、区切りが良いだけです。私の車も2台とも10万kmを大きく超えて走っています。判断するのは距離ではなく、修理代と売却額のバランスです。

走行距離が多いと車検に通らなくなりますか?

走行距離は車検の合否と関係ありません。私は自動車検査員として車検の合否を判定していましたが、距離を理由に落とす基準はありません。見られるのはブレーキ、灯火類、排出ガス、下回りの状態です。

過走行の中古車は買っても大丈夫ですか?

整備記録がそろっていれば選択肢に入ります。距離が多い分だけ価格は下がるので、記録簿でオイル交換の間隔を確認できる車なら悪くありません。逆に、距離が少なくても記録がまったくない車のほうが読めません。

まとめ|数字より記録簿を見る

国産車は、オイル管理さえしていれば20万kmは狙えます。私のヴィッツは18万kmでウォーターポンプの交換だけ、今のフィールダーは14万kmで走行中です。世の中の平均が約9万kmであることを考えると、多くの車はまだ余力を残して手放されています。

買い替えの判断は距離ではなく、修理代がその車の売却額を超えたかどうかで決めてください。

今日できることを1つ挙げるなら、車検証と一緒に入っている点検記録簿を開いて、直近のオイル交換がいつだったか確認することです。間隔が空いていなければ、その車はまだ走れます。

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