30プリウスの振動はEGRの詰まり|清掃費用を元整備士が解説

車のエンジンルームの吸気まわり。EGRバルブの詰まり点検のイメージ Uncategorized

※当サイトはアフィリエイト広告(A8.net・楽天アフィリエイト)を利用しています

信号待ちで止まっているとき、車体がガタガタと震える。朝いちばんのエンジン始動でとくにひどい。しばらく走ると、いつのまにか収まっている。

その振動、EGRバルブの詰まりです。私はディーラーで整備士をしていた7年間、30プリウスとアクアでこの修理を何度もやりました。「またこれか」と思うくらい、この2車種で多かった不具合です。

結論を先に言うと、清掃で直ることがほとんどです。費用は12,000〜16,000円が目安。すぐ壊れるものではありませんが、燃費が落ちたまま乗り続けることになります。

こんな症状ならEGRの詰まりを疑う

EGRバルブは、排気ガスの一部をもう一度エンジンに戻す部品です。燃費と排ガスを良くするための仕組みですが、戻ってくる排気ガスにはススが混じっています。これが少しずつたまって、バルブの動きを邪魔します。

バルブが閉まりきらなくなると、必要のないときまで排気ガスが入ってきます。空気と燃料のバランスが崩れて燃焼が不安定になり、それが振動として体に伝わります。

  • 信号待ちやアイドリング中に、ガタガタ・ブルブルと震える
  • 朝いちばんなど、エンジンが冷えているときにひどい
  • 暖まってくると軽くなる、または消える
  • エンジンがかかったり止まったりする瞬間に、揺れや音が大きい
  • アクセルを踏んでも以前より進まない
  • 燃費が落ちてきた
  • エンジン警告灯がつくこともある

とくに「冷えているときだけ」というのが大きな手がかりです。暖まると軽くなるので、「気のせいかな」で済ませてしまう方が多い。ですがこれは、EGRの詰まりでよく見られるパターンです。

症状が出はじめる時期の目安は、登録から10年、走行8万kmを超えたあたりです。30プリウスは2009年から2015年ごろの車なので、いま乗っている個体はほぼ全部その範囲に入っています。

なぜハイブリッドで詰まりやすいのか

ガソリン車にもEGRはあります。それでもハイブリッドで話題になりやすいのは、エンジンの使われ方が違うからです。

ハイブリッドはモーターで走る時間があるぶん、エンジンが止まったり動いたりを繰り返します。低い負荷で回っている時間も長い。すると燃焼室の温度が上がりきりません。温度が上がらないと、ススは燃えずにそのまま残ります。

短い距離の買い物ばかりで使っている車ほど、この傾向が強く出ます。整備の現場からも同じ指摘が出ていて、短距離走行やアイドリングが多いとカーボンの堆積が進みやすいとされています。

皮肉な話ですが、燃費のいい乗り方をしている車ほど、EGRは詰まりやすいのです。現場にいたころ、「大事に乗ってきたのに、なぜ壊れるんですか」と言われたことが何度もありました。乗り方が悪いわけではありません。

同じことがディーゼル車でも起きます。ハイラックスなどでは煤が焼き切れずに溜まり、警告灯が点きます。仕組みはハイラックスの警告灯とDPFの記事にまとめました。エンジンの形式が違っても、原因は同じ「短距離ばかりの走り方」です。

アクアやプリウスαでも同じことが起きます

ディーラーでの入庫は、30プリウスとアクアが目立ちました。この2台はエンジン自体は別物です。30プリウスは1.8L、アクアは1.5Lで、共通の部品ではありません。

それでも同じ症状が出るのは、原因が部品ではなく「使われ方」にあるからです。トヨタのハイブリッドという仕組みそのものが、EGRにススをためやすい。だから車種をまたいで同じ相談が来ます。

プリウスα、レクサスCT200hなども同じグループです。お乗りの車がこのあたりで、冷間時にガタガタするなら、同じ話だと思ってください。

ちなみにアクアとカローラフィールダーのハイブリッドでは、走行中の「ゴー」という異音も定番です。こちらはハブベアリングが原因で、別の話になります。詳しくはアクアの異音とハブベアリングの記事にまとめました。

清掃の費用はいくらか

EGRバルブは、外して中のカーボンを落とせば動きが戻ります。交換ではなく清掃で済むことがほとんどです。

作業内容費用の目安
ディーラーでの清掃16,000円前後
整備工場でEGRバルブ・パイプの清掃12,000円前後
スロットルボディまで含めた清掃15,000円前後
インテークマニホールドまで含めた清掃33,000円前後
EGRバルブを新品に交換36,000円前後(部品+工賃)

金額は30プリウスのEGR清掃を扱う整備工場の公開価格などを参考にした目安です。地域とお店で差が出ます。

迷ったときの考え方はこうです。まずはバルブとパイプの清掃から試してください。これで直る車がほとんどです。それでも残るなら、スロットルやインマニ側にも溜まっている可能性があるので、範囲を広げます。

最初から一番高いコースを勧められたら、「まずバルブとパイプだけでどうなるか見たい」と伝えて構いません。

清掃で直らないこともあります

正直にお伝えすると、清掃したのに振動が残るケースはあります。理由は2つです。

  • バルブ自体が傷んでいる(何年も固着していると、清掃しても動きが戻らない)
  • 原因がEGRではなかった(点火系やエンジンマウントなど、別の不具合)

とくに2つめは珍しくありません。振動という症状は原因が多いので、EGRだと決めつけて清掃だけして、結局直らないという流れが起こります。

これを防ぐには、お店に持っていくときに「どういうときに揺れるか」を具体的に伝えることです。

  • 冷えているときか、暖まってからか
  • 止まっているときか、走っているときか
  • いつごろから始まったか
  • 燃費に変化はあるか

私が現場にいたころ、この4つが言えるお客様の車は原因を絞るのが早かったです。とくに「冷えているときだけ」という一言は、EGRを真っ先に疑う根拠になります。

修理費がかさみそうなら、先に愛車の今の価値を知っておくと判断しやすいです。→ ガリバーの無料査定で愛車の価値を調べてみる

自分で清掃できますか

やっている方はいます。ただ、初めての方にはおすすめしません。

EGRバルブは吸気まわりの奥にあり、外すために周辺部品をいくつか取り外します。組み戻すときにガスケット(すき間をふさぐ部品)を再使用すると、空気を吸ってかえって調子が悪くなります。清掃そのものより、外すことと元に戻すことの方が難しい作業です。

加えて、車種によっては清掃後に学習値をリセットする必要があります。ここは診断機がないとできません。

費用が12,000円前後で収まる作業なので、ここはプロに任せた方が結果的に安く済みます。

放置するとどうなるか

いきなり走れなくなる部品ではありません。ただ、放っておいて自然に良くなることもありません。

実際に起きるのは、こういうことです。

  • 振動が少しずつ大きくなる
  • 燃費が落ちたまま戻らない(毎月のガソリン代で損をし続ける)
  • エンジン警告灯がつく
  • カーボンがバルブの奥まで広がり、清掃の範囲が増えて費用が上がる

費用の面から見ると、早めに手を打つほど安く済む種類の不具合です。バルブとパイプだけなら12,000円前後、インマニまで広がると33,000円前後。同じ症状でも3倍近く変わります。

命に関わる不具合ではないので、あわてる必要はありません。ただ、次の車検や点検のときに「冷えているときガタガタする」と伝えておくくらいはしてください。

予防できることはありますか

完全には防げませんが、進みを遅らせることはできます。

一番効くのは、ときどきまとまった距離を走ることです。短距離の買い物ばかりだと、エンジンが暖まりきる前に目的地に着いてしまいます。月に一度でも30分以上続けて走ると、燃焼室の温度が上がってススが焼けやすくなります。

燃料添加剤を使う方法もあります。ただしすでに詰まっている車が添加剤で元に戻ることはありません。きれいな状態を保つための予防策と考えてください。詰まってしまったら清掃が必要です。

なお新しめのハイブリッドをお乗りなら、保証を確認する価値があります。トヨタの特別保証は新車登録から5年または10万kmまでで、対象機構に「排出ガス浄化機構」が挙げられています。ただし30プリウスは年式的にほぼ全車が保証切れです。対象部品は車種ごとに異なるので、該当しそうなら販売店に確認してください。

よくある質問

EGRバルブを外したままにできますか

できません。EGRは排ガスを抑えるための装置なので、機能しない状態は車検に通らない可能性があります。燃費も悪化します。清掃か交換で正常に戻してください。

走行距離が少なくても起きますか

起きます。むしろ距離より年数と乗り方の影響が大きい部品です。走行3万kmでも、近所の買い物だけで10年乗った車は詰まっていることがあります。距離と車の寿命の関係は車は何万kmまで乗れるかの記事で書いています。

エンジンがかからないのもEGRのせいですか

違うことが多いです。かからない場合はバッテリーや点火系を先に疑います。エンジンがかからない原因の記事をご覧ください。EGRの詰まりは「かかるけれど震える」という症状です。

清掃したらまた詰まりますか

詰まります。ススが出ること自体は避けられないからです。私の感覚では、清掃してから5年ほどで再び相談を受けることがありました。ただ、乗り方によってかなり差が出ます。

まとめ

30プリウスやアクアで、冷えているときだけガタガタ震えるなら、EGRバルブの詰まりを疑ってください。暖まると消えるのが特徴です。

費用はバルブとパイプの清掃で12,000円前後。放置して範囲が広がると33,000円前後まで上がります。清掃で直る車がほとんどなので、部品交換を急ぐ必要はありません。

今日できることを1つ挙げるなら、明日の朝、エンジンをかけた直後の揺れ方を意識してみることです。そこで揺れて、10分ほど走ると収まるなら、次の点検で「冷えているときガタガタします」と伝えてください。それだけで、整備士は真っ先にEGRを見にいきます。

まだ乗り続けると決めた方は、維持費の見直しを。→ 自動車保険は比較で安くなる!

コメント

タイトルとURLをコピーしました