※当サイトはアフィリエイト広告(A8.net・楽天アフィリエイト)を利用しています
メーターに警告灯がいくつも同時に点いた。ブレーキを踏むといつもと感触が違う気がする。しばらくすると「ピーピー」と音まで鳴りはじめた。
プリウスやカローラフィールダーでこの症状が出たら、ブレーキアクチュエータの摩耗かもしれません。私はディーラーで整備士をしていた7年間、30プリウスでこの修理を何度もやりました。ブレーキブースタとポンプ、それにブレーキフルードを交換する、決まったパターンの作業です。
そしてこの修理は、条件が合えば無料です。トヨタがサービスキャンペーンを出しています。ところがこれ、ハガキが一斉に届く種類のものではありません。だから知らない方がとても多いのです。
私の車も対象でした
先に、正直な話をさせてください。
私はいま、14万km走ったカローラフィールダーのハイブリッドに乗っています。この記事を書くにあたって自分の車の車台番号を調べたところ、対象車でした。
整備士としてこの作業を何台もやってきた人間が、自分の車が対象だと気づいていませんでした。案内のハガキも届いていません。中古で買った車なので、前のオーナーの住所に送られていたのかもしれません。
知識があっても、これです。だからこの記事を書いています。
その後、販売店で確認してもらい、実際に修理を受けました。朝に預けて、夕方には戻ってきています。費用はかかっていません。
どんな症状が出るのか
トヨタの説明はこうです。
ブレーキ操作を長期にわたり頻繁に繰り返すと、まれに警告灯が同時に点灯することがある。点灯したままの状態で使い続けると、警告音が鳴ってブレーキの効きが悪くなる——。
公式の例として挙げられているのはタクシーなどの営業車です。ただ、信号の多い街なかを毎日走る車も、ブレーキを踏む回数は相当なものになります。
- 警告灯が複数、同時に点く(ブレーキ、ABS、スリップ表示灯など)
- 点いたままにしていると警告音が鳴りはじめる
- ブレーキの効きが以前より悪く感じる
- ブレーキを踏んだときの感触が変わる
現場での実感もお伝えします。警告灯が点いて入庫されたお客様に「運転していて何か変わりましたか」と聞くと、返ってくるのは決まって「ブレーキの効きが悪くなった」でした。公式の説明にある症状が、そのまま運転の感覚として出ています。
ポイントは「同時に点く」ことです。1つだけなら別の原因を疑いますが、複数が一度に点いたときは、ブレーキの制御そのものに異常が出ているサインになります。警告灯の意味は車の警告灯の意味一覧にまとめてあります。
原因はブレーキアクチュエータの摩耗
ハイブリッド車のブレーキは、油圧を電子的に制御しています。その中心にあるのがブレーキアクチュエータという部品です。
この中のソレノイドバルブという部分が摩耗すると、圧力の制御が正しくできなくなります。ブレーキを踏む回数が多いほど、この摩耗は早く進みます。
現場での作業は、アクチュエータを含むブレーキブースタとブースタポンプをまとめて交換する形でした。あわせてブレーキフルードも交換します。ここが大事なところで、指定されるフルードが変わりました。
ブレーキフルードの指定が変わっています
従来は DOT3 が指定でしたが、この対策では耐摩耗性に優れたフルード(DOT5.1)に変わっています。リザーバータンクのキャップも、対応するものに交換されます。
ここで絶対に間違えてはいけないことがあります。
| 規格 | 種類 | この車に使えるか |
|---|---|---|
| DOT3・DOT4 | グリコール系 | 従来の指定 |
| DOT5.1 | グリコール系(高沸点) | 対策後の指定 |
| DOT5 | シリコン系 | 使用不可 |
DOT5 と DOT5.1 は、名前が似ているだけでまったくの別物です。DOT5はシリコン系で、ABSのような電子制御のブレーキには使えません。間違えて入れると重大な事故につながります。
自分でフルードを買って足そうとする方がいますが、この車ではやめてください。キャップに貼られたラベルの表示を必ず確認し、迷ったら整備工場に任せてください。ブレーキフルードの基本はブレーキフルードとは?の記事で解説しています。
対象になっている車
トヨタのサービスキャンペーンとして、平成30年1月に始まりました。その後2回にわたって対象が広げられています。
| 通称名 | 型式 |
|---|---|
| プリウス | ZVW30 |
| プリウスPHV | ZVW35 |
| プリウスα | ZVW40W・ZVW41W |
| カローラアクシオ | NKE165 |
| カローラフィールダー | NKE165G |
| カムリ | AVV50 |
| SAI | AZK10 |
| ミライ | JPD10 |
| レクサス HS250h | — |
平成21年から平成30年に作られた車の一部です。修理は無料で、1回限り。ブレーキアクチュエータを含むブレーキブースタ、ブースタポンプ、ブレーキフルードを交換してもらえます。
ひとつ注意があります。公式に「対象車の含まれる車台番号の範囲には、対象とならない車両も含まれます」と書かれています。型式が合っていても、確定は車台番号での確認が必要です。
なぜ知られていないのか
理由ははっきりしています。案内がダイレクトメールだけだからです。
公式にもこう書かれています。「警告灯点灯後は速やかに販売店へご入庫いただくよう、お客様にダイレクトメールでご連絡するもの」。リコールのように全員へ一斉に届くものではありません。
つまり引っ越した方、中古で買った方には届いていない可能性があります。私がまさにそれでした。
リコールにしていない理由も、公式に説明があります。きわめて厳しい使い方でまれに起きること、警告灯が点いてもただちに効きが落ちるわけではなく修理までの時間が確保できること。だから緊急の呼び出しはしない、という判断です。
ただ「緊急ではない」と「放っておいていい」は違います。ブレーキの効きに関わる話です。
自分の車が対象か調べる方法
トヨタのリコール等情報対象車両検索に車台番号を入れてください。車検証の上のほうに「NKE165-□□□□□□□」のような形で書かれています。
ひとつ知っておいてほしいことがあります。この案件は検索結果の「実施状況」欄が「*」(アスタリスク)で表示されます。ダイレクトメール方式のためで、通常の表示にはなりません。「*」が出たら対象だと考えてください。
販売店に電話しても構いません。伝えるのは3つで足ります。
- 車検証の車台番号
- 初度登録年月
- いま出ている症状(「警告灯が同時に点いた」など、見えているままで大丈夫です)
修理はどのくらいかかるのか
朝に車を預けて、夕方に返す。これが基本の流れです。私が現場にいたころも月に1回くらいのペースでこの作業をしていましたが、いつも1日お預かりしていました。
作業そのものは5時間ほどかかります。そこに試運転が加わります。ブレーキの部品を交換したあとは、実際に走らせて効き具合を確かめないとお客様にお返しできません。ここを省けないので、どうしても1日仕事になります。
予約するときは、その日は車が使えないつもりでいてください。代車が必要なら、電話の時点で伝えておくと確実です。当日になって「代車ありますか」と聞くと、出払っていることがあります。
よくある質問
警告灯が点いていなくても交換してもらえますか
できません。「その症状が出た場合に無料で修理する」という決まりなので、点検して該当することが確認されてはじめて交換になります。対象車だと分かっていることに意味があります。点いたときに迷わず動けるからです。
中古で買った車でも対象ですか
対象です。無料修理は車についているもので、買った人が誰かは関係ありません。中古で買った方こそ確認してください。ハガキが前のオーナーに届いている可能性が高いからです。
20系プリウスも対象ですか
20系(NHW20)は別の無料修理の対象になっています。こちらはアルファードやクラウンなども含む案件で、年数も走行距離も問われません(1回のみ)。症状と修理内容はよく似ています。
スリップ表示灯だけが点いた場合は
エンジン警告灯と一緒に点いていて、加速が鈍いなら、変速機側の可能性があります。ヴォクシーやノアではCVTの無料修理が出ています。同じ表示灯でも原因が違うので、他にどのランプが点いているかを見てください。
まとめ
プリウス30系やカローラフィールダーなどで警告灯が同時に点き、警告音が鳴りはじめたなら、ブレーキアクチュエータの摩耗を疑ってください。トヨタのサービスキャンペーンで無料交換の対象です。
案内はダイレクトメールだけなので、届いていない方が多くいます。私自身がそうでした。
今日できることを1つ挙げるなら、車検証を出して車台番号を確認し、リコール等情報対象車両検索にかけることです。3分で終わります。対象なら、症状が出たときに無料で直せます。


コメント