トヨタの無料修理・保証延長まとめ7件|元整備士が解説

ディーラーの整備受付で書類を確認する様子。無料修理の対象確認のイメージ Uncategorized

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「保証はとっくに切れているから、実費だろう」。修理を頼むとき、そう思っていませんか。

トヨタ車には、保証が切れたあとでも無料で直せる不具合があります。私はディーラーで整備士をしていた7年間、その修理を何度もやってきました。お客様に「これは無料です」とお伝えすると、決まって驚かれました。

問題は、案内のハガキが届かないものが多いことです。この記事では、公式ページで確認できた7件をまとめました。ご自身の車が当てはまらないか、確かめてみてください。

まず、4つの制度の違いを知ってください

「無料で直る」にはいくつか種類があります。ここを知っておくと、今後も自分で判断できます。

種類どういうものか案内は届く?
リコール安全の基準に合わない可能性があり、国に届け出て行うものハガキが届く
改善対策基準には合っているが、安全上そのままにできないものハガキが届く
サービスキャンペーンメーカーが自主的に行う無料修理届かないことがある
保証期間の延長もともとの保証期間を、その不具合に限って延ばすもの届かないことがある

下の2つが要注意です。メーカーの自主的な取り組みなので、全員に一斉に届くとは限りません。「うちには何も来ていないから対象じゃない」は、まったく当てになりません。

しかも症状が出たときに申し出るのが条件のものがほとんどです。黙っていると、そのまま実費で請求されます。

一覧:公式で確認できた7件

症状おもな対象期間
警告灯とスリップ表示灯が点き、加速しないノア/ヴォクシー/エスクァイア、アルファード/ヴェルファイア、ハリアー13年以内
前方の画面が真っ青・真っ黒ライズ(ロッキーも)期間・距離を問わない
一度でエンジンがかからないライズ、ルーミー製造時期による
警告灯が同時に点き、警告音が鳴るプリウス30、プリウスα、カローラアクシオ/フィールダー、SAI、カムリ、ミライ製造時期による
同上(旧型・別案件)プリウス20、アルファード、エスティマ、クラウン、ハリアー期間・距離を問わない
前席の窓が白くかすむアクア、ヴィッツ、プリウス、ハリアーなど24車種11年以内(2028年8月末までは11年超も対象)
暖房が効かない・白い煙が出るランドクルーザープラド9年以内

1件ずつ見ていきます。

1.CVTの不具合(13年以内)

エンジン警告灯とスリップ表示灯が同時に点き、加速が鈍くなる症状です。CVTのトルクコンバータの中の部品に強度不足がありました。

保証は5年10万kmから13年以内に延ばされています。トヨタ公式で確認できます。

2013年から2016年に作られた車が対象なので、いまちょうど期限が来はじめています。詳しくはヴォクシー・ノアのCVT不具合の記事にまとめました。

2.ライズのフロントカメラ(期限なし)

パノラミックビューモニターで前方が映らず、真っ青や真っ黒になる症状です。カメラの端子が振動で摩耗するのが原因でした。

これは期間も走行距離も問われません(無料は1回のみ)。かなり珍しい対応です。ダイハツのロッキーも同じ内容が出ています。

3.ライズ・ルーミーのプッシュスタートスイッチ

ボタンを押しても一度でかからず、もう一度押すとかかる症状です。スイッチの接点に電気を通さない物質ができるのが原因でした。

この2件はライズの不具合3つの記事で詳しく書いています。

4・5.ブレーキアクチュエータの摩耗

警告灯が複数同時に点き、放っておくと警告音が鳴ってブレーキの効きが落ちるという症状です。安全に直結します。

この件は年式によって2つの案件に分かれています。

対象がとても広く、カローラフィールダーやカムリまで入っています。プリウスのブレーキ警告灯の記事で解説しました。

6.窓ガラスが白くかすむ(11年以内)

前席のドアガラスだけが白くかすみ、拭いても取れない症状です。洗浄力の強いガラス洗浄剤と紫外線の組み合わせでコート膜が傷みます。

アクア、ヴィッツ、プリウス、ハリアー、クラウンなど24車種が対象です。2026年8月の公式更新で、期間が9年から11年に延び、2028年(令和10年)8月末までは11年を過ぎた車も対象になりました(2026年9月5日時点でトヨタ公式ページを確認)。窓ガラスが白くなる症状の記事に一覧を載せています。

7.プラドのEGRパイプ(9年以内)

低い速度からの全開加速を繰り返すと、EGRパイプに亀裂が入って冷却水が漏れます。暖房が効きにくくなったり、白い煙が出たりします。

トヨタ公式で確認できます。平成30年から令和2年に作られたプラドが対象です。

無料にはならないが、知っておきたい定番の不具合

公式の無料修理は出ていないものの、現場で「またこれか」と思うほど多かった不具合もあります。知っていれば、原因の見当がついて診断が早く終わります。

  • 40〜60km/hで「ゴー」と鳴る(アクア、カローラフィールダー)→ リアのハブベアリング。詳しくはこちら
  • 冷えているときだけガタガタ震える(30プリウス、アクア)→ EGRの詰まり。詳しくはこちら
  • ディーゼルで警告灯が点き、加速が鈍い(ハイラックス、プラド、ハイエース)→ 煤の溜まりすぎ。詳しくはこちら
  • 4WDでアクセルを踏んだときだけ「ゴー」と鳴る(RAV4)→ リアデフ。詳しくはこちら
  • オイルが減る/アイドリング中にガラガラ鳴る(20系アルファード、ヴェルファイア、エスティマ)→ 2AZエンジンの持病。詳しくはこちら

このうち下の2つは、短い距離ばかり走る車で起きやすいという共通点があります。乗り方が部品を傷めるパターンです。

1つめのRAV4だけは例外で、特別保証(5年10万km)の期間内であれば無料になります。期間を過ぎていれば実費です。

私自身も、対象でした

正直な話をします。

私はいま、14万km走ったカローラフィールダーのハイブリッドに乗っています。この記事を書くにあたって車台番号を調べたところ、4番のブレーキアクチュエータの対象車でした。

整備士として何台もこの作業をやってきた人間が、自分の車が対象だと気づいていませんでした。案内のハガキも届いていません。中古で買ったので、前のオーナーの住所に送られたのだと思います。

知識があっても、これです。だから「調べる」という行動だけは、ご自身でやってください。

自分の車が対象か調べる方法

トヨタのリコール等情報対象車両検索に、車検証の車台番号を入れるだけです。3分で終わります。

車台番号は車検証の上のほうに書かれています。「NKE165-□□□□□□□」のような形です。

ひとつ知っておいてください。サービスキャンペーンの一部は、検索結果の「実施状況」欄が「*」(アスタリスク)で表示されます。ダイレクトメール方式のためで、通常の表示にはなりません。「*」が出たら対象だと考えてください。

販売店に電話しても構いません。伝えるのは3つで足ります。

  • 車検証の車台番号
  • 初度登録年月
  • いま出ている症状(見えているままの言葉で大丈夫です)

よくある質問

症状が出ていなくても直してもらえますか

ほとんどの案件でできません。「その症状が出た場合に無料で修理する」という決まりだからです。それでも対象車だと知っておく意味は大きいです。症状が出たときに、迷わず販売店へ行けます。

中古で買った車でも対象ですか

対象です。無料修理は車についているもので、買った人が誰かは関係ありません。中古で買った方こそ確認してください。案内が前のオーナーに届いている可能性が高いからです。

他の店で修理してしまいました。返金されますか

ケースによります。修理の明細を持って販売店に相談してください。判断はメーカーと販売店になるので、ここで「戻ります」とは言えません。ただ、相談しなければ可能性はゼロです。

車検のときに教えてもらえないのですか

ディーラーで車検を受ければ、対象なら気づいてもらえることが多いです。ただし症状が出ていなければ、その場では交換になりません。他の工場で車検を受けている場合は、そもそも気づかれないこともあります。

他のメーカーの車にもありますか

あります。どのメーカーもリコールやサービスキャンペーンを公表しています。国土交通省のサイトでメーカー横断で調べられます。この記事はトヨタ車に絞ってまとめたものです。

まとめ

トヨタ車には、保証が切れたあとでも無料で直せる不具合があります。この記事で挙げた7件は、すべて公式ページで確認したものです。

とくに注意してほしいのは、案内が届かない場合があること。サービスキャンペーンと保証期間の延長は、ハガキが一斉に送られるとは限りません。私自身、自分の車が対象だと気づいていませんでした。

今日できることを1つ挙げるなら、車検証を出して車台番号を確認し、リコール等情報対象車両検索にかけることです。3分で終わります。

何も出なければ、それで安心できます。何か出たら、数万円から数十万円が変わります。やらない理由がありません。

なお、対象だと分かったのに手をつけずにいると、車検や売却のときに困ることがあります。詳しくはリコールを放置するとどうなるかの記事にまとめました。

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